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バイト先のレストランで知り合う
数年前レストランの厨房でバイトしていた時の話です。
自宅から数キロ離れた国道沿いにある家庭的なカジュアルなイタリアンの店でした。
若い友人の独身の知り合いがオーナーシェフを務めるその店でランチタイムだけのバイトをしていました。
私は若い頃ヨーロッパを遊んで歩いていました。そしてフランスのいくつかのレストランで雑用のバイトとして働いて日々の賄いで食べつないでいたことがありました。
それを日本に帰ってきてからはフランスで料理修行をしていた経験があるということにして、いくつかの店紛れ込んでバイト仕事をしていました。
これが結構様になっていて何とか通用していました。この店にもイタリアンではなくてフランス料理の経験があるという触れ込みで雇ってもらいました。
オーナーと揉め事になった彼女が取った行動

田舎のレストランのランチでしたから何とかものになっていたのかもしれません。
小さい時から料理が好きでした。その上割と器用なところがあって一度作り方をそばで見れば直ぐ覚えてしまうのです。
何もわからない素人の度胸でもあったのかもしれません。そんなこの店に美里(仮名)はホール係として入ってきました。背が高く細身の体型は女優の香里奈によく似ていました。
どこかの名の知れたイタリアンレストランにもいたらしく私よりも料理の知識は豊富でした。しかしとても気が強く他人の意見をなかなか受け入れないタイプでした。
そのためオーナーシェフのHとはときどき衝突して、言い争いになることさえありました。強情な割に涙もろく、言い争いの後バックヤードでときどき一人で泣いていることもありました。
ある日、下ごしらえのジャガイモの皮むきを私一人段ボール箱に腰掛けながらしていると、またオーナーシェフのHとやらかしたのでしょう、バックヤードに駆け込んで来て、ギャベッジの端で後ろを向いて泣いていました。
「しようがないなあ」と思いながら彼女の後ろ姿を見ていると、その長身とはうらはらに頼りなさげな肩さきがとても気にかかりました。
「どうしたんだ?」と声を掛けると、涙を一杯ためた目でこちらを振り返りました。気がつくと私は静かに泣き続ける彼女を抱きしめていました。
抱きしめると、彼女は全身の力が抜けておさまりのつかない人形のようになってしまいます。
それに大柄ですので抱えているのも大変なくらいです。そしてしばらくそうしていると、今度は私の腕を振り払い押しのけるように離れて、ホールへと戻って行きました。
気持ちを確かめないまま相手とは離れ離れに

それ以来私がバックヤードにいると、いつもということはありませんが、ときどき来て私の傍らに立っています。
抱きしめてやると相変わらず、全身脱力してしまいます。これはほんの1,2分です。
時間が過ぎるといつも振り払うように、押しのけるように行ってしまいます。ある日またオーナーシェフとのいさかいの後、今度は店を出て行ってしまいました。
それなり彼女が店に来ることはなくなりました。私はバックヤードでジャガイモの皮をむくたびに、あれはいったい何だったんだろうと思い出します。