信じるから開ける!恋愛占い
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相手は親会社の社員
新しい派遣先では、自分達で解決できなかった案件を引き受けてくれる更に上位の親会社があり、時折、担当技術者のA氏が現場に様子を見に来ていました。私が彼に声をかけられたのは、2度目に会ったときでした。
「初めて会った時から、気になっていた」。なぜ、超一流企業の社員さんが、私のような末端のものに声をかけるのか?違和感を感じながらも、私は舞い上がり、あっという間に夢中になりました。仕事ができて、タフでずるくて、超個性的で、むちゃくちゃおもしろい奴。とにかく、そばにいて楽しい!…好きでした。
例えば、「中国出張行ってさぁ、安いから現地の床屋に入ってカタコトの中国語で「日本人らしくして」って頼んだらモヒカンにされてさ…」とか「中国語は女の子と遊びまくって覚えた」とか「現地に馴染みすぎて、タクシーで日本人だっていっても「何みえはってる?お前はどこの(少数民族)出身だ」って言われて信用されない」とか。そういう話が、楽しくて仕方なかった。
関係がスタートしてから衝撃の告白…
ある日、「実は、話があるんだ」と呼び出されて。とうとう、付き合うことができるんだと、胸を踊らせて会いにいきました。彼はこう言いました。「実はさ、俺、けっこんするんだ。」
からだの関係は、もう始まっていました。まさか、まさか…。「そうなの。すごいね、おめでとう。」そう言うのが、精一杯でした。そして、その後も、二人の関係は、細く細く…続いていきました。
不倫は、したくない。でも、好きで好きで仕方ない。そんな自分の気持ちを振り払って 、何度も断るのだけれど、中国で現地人と間違われるほど自由でいられるタフな奴相手に、私の精一杯なんてそよ風程度のものだったのでしょう。断っても、断っても、続いていってしまう。
彼は、超一流企業で、ぐんぐん出世していきました。中国人の奥様は、彼が中国で業績をあげるために、どれほど後ろ楯になったことでしょうか。彼にとって女性って、何なんだろう?
ズルズルと関係は続いたものの…
出会ってから10年以上が経ちました。ほとんど電話だけの関係になり、どうにかして会おうとしてくる奴を、私もかわせるくらいにはなっていました。でも、心がざわつくのです。奴は、奥様の前では優しい夫でいたい。強い夫でいたい。休日は、家族に料理を作って自慢の腕をみせたい。そして、その分だけ、私にはダメなところを見てほしい、自分を解放したい、ママに甘えるみたいに甘えたい!のです。「部屋を借りてあげるから、そこで俺を待っててほしい」というのです。もう、彼のことを好きな気持ちは残っていませんでした。
真夜中に、電話がありました。ベロベロに酔った奴からです。カッとなった私は、長い間に己の内に降り積もった怒りを、言葉にしました。何を言ったか良く覚えてないけど、「こんなひどいことを言葉にできる奴、知らない」と言われたのは覚えています。自分が、夜の闇に向かって吠える狼になったみたいでした。
それで、終わりでした。
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