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大学卒業とともに結婚
2年前のことになりますが、私は同級生の中でも結婚が早く、大学を卒業すると同時にすぐ今の旦那と籍を入れました。
その結婚生活に何の不満もありませんでしたが、私には実は何とも言葉で表すのは難しい人がいました。
その彼と出会ったのは大学生時代、アルバイト先が同じでした。まだ今の旦那とも出会う前のことです。
私の一目惚れという形で恋に落ち、それから長い間私は彼に片思いをしていました。
性格も顔も今まで出会った人の中では断トツにタイプで、私の猛アタックで私は彼の中で一番身近な女の子にまでなることができました。
お互いバイトが終わった後、授業の合間、休みの日など常に連絡を取り合い、二人で遊びに出かけたり夜中にずっと電話をしたり、私もいつ告白しようかと考えていました。
電話をしていると、たまに「彼女ほしいな」という話をされ、何となくいい雰囲気にはなるのですがお互いにそれ以上は踏み込めずに話をそらしたりということが何度も続いていました。
彼との関係は一旦終了
私の思いは膨れ上がっていていましたが、彼の気持ちが分からず、関係を壊したくないという思いやここまで頑張って彼の親友になれたのにという思いから「好き」という言葉は伝えられませんでした。
そんな矢先、バイト先のお店が閉店することが決まりました。お互いに週5日ほど働いていたのでバイト先で会うことはなくなり、それに伴い会う回数もなくなりました。
電話は相変わらず続けていましたが、お互いにふざけて話している時に彼が「やっぱりお前は親友だな〜」と何気なくいった一言から、もう恋愛関係に発展することはないんだなと悟った私は彼への連絡頻度を意図的に減らすようになりました。
それと同時に私も卒業に向けて忙しくなり、いよいよ連絡を全く取らなくなりました。そして私は新しいバイト先で出会った今の旦那と出会い、結婚に至りました。
偶然の再会から気持ちは再燃
そんなある日、連絡することはなくなっても、同じ街に住んでいるのである日ひょんなことで再会をしました。連絡を取らなくなってもうしばらく経っていましたが、会って話をするとあの頃に戻ったようですごく楽しくてそのまま二人で飲みにいくことに。
当時は私が卒業直後だったこともあり、籍だけ入れて同居する前だったので旦那とは帰る家も別々でした。
彼も私が結婚したことは知っていたようで、お祝いもしてくれました。お互いに就職もして、お酒も覚えて、つい飲みすぎました。
彼がお酒に弱いことは初めてそのとき知りました。お互いにどちらから言うこともなく、そのまま彼の家に泊まることになりました。
お互いがどう思っているのかは分かるようで分からず、探り探りの夜でした。彼は私に触れたりキスをしたりもしてこず、二人で並んでテレビを観て過ごしました。私はベッドで眠り、彼はソファで寝ていました。
「私のこと、どう思ってたの?どう思ってるの?」とも聞けず、彼も特に何も聞いてきませんでした。
その日をきっかけに、旦那の目を盗んでは彼と飲んだり、夜中のドライブに出かけることが多くなりました。手を繋いだりもなく、ただ同じ時間を同じ場所で心地よく過ごしていました。
でも、彼が一度だけ「俺、お前がいないとすげえ駄目になる気がする。すっごい大切ってのは知っててほしい」と言ってきたことがあります。それがどういう意味なのか分かりませんでしたが、私も彼に抱く気持ちがどういうものなのかは説明できませんでした。親友以上恋人未満のような期間は半年ほど続きました。
その間に彼と結婚していたら、と考えることは何度もありました。きっと彼も同じように思っていただろうということは私にも分かりました。
ただ、お互いが大切でお互いに過ごす時間を愛しんでいる。そんな関係でした。
そしていよいよ私も旦那との同居が決まり、彼との時間には物理的に無理がきました。会えなくなりましたが、旦那の目を盗んで連絡をしたりこっそり電話をしたりもしました。
しかし、いざ同居をスタートした私は旦那の変わらぬ愛に触れて、このままでは良くないのではないかと思うようになりました。彼とはもう会わないことを決めて、最後に休みの日に彼の車でドライブに行きました。夕方、別れ際に彼にもう会えないことを話しました。
不倫関係は終わり、彼も結婚へ
彼も同じ気持ちだったようで、それがいいと思うと納得をしてくれました。これでいいと分かっているのになかなか車を降りない私の頬に、彼は短い口付けをしました。それが彼が初めて、そして最後に私に触れた瞬間でした。
その時に私はもう終わりなんだなと区切りをつけることが出来ました。あの頃、成仏しなかったお互いの気持ちを、再会以来ずっと引きずっていたので、もうこれでやっと片思いが終わると思うと無性に悲しく、無性に安心したのを覚えています。
それから彼とは連絡を取ることもありません。たまに街で会いますが、話はしてもそのあと連絡をしたりすることもありません。
先日、彼女が出来たことを知り、完全にお互いに過去に出来ています。
それでも時々、あのとき気持ちを伝えられたらと思うとやり切れない時間を過ごすことがあります。
きっと彼もそんな風に思っていて、私たちはもう一緒に過ごすことはないし、友達にも戻れませんが、これからも大切な存在であり続けるんだろうなと思っています。