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全てが上手くいかなかった時期
精神的に追い詰められ、当時勤めていた会社を退職後、転職活動を2ヶ月ほど継続、合計10社受けるも全滅でした。
自分には会社勤めが合わないと考えていたこともあり、その時点でフリーランスとしてお金を稼ぐことに力を入れ、転職活動をそこまで積極的に行わなくなりました。
元妻も自分がフリーランスで活動することを当初は了承してくれていたものの、1ヶ月ほど経ち、男はやはり就職してバリバリ仕事するべきという価値観が譲れなかったのか、あっさりと離婚を言い渡され、出て行ってしまいました。
その後も私は単発のアルバイトをしつつ、フリーランスとしての下積みを続けていましたが、ある日、何の前触れもなく元妻からの連絡があり、自宅へ訪れ、復縁を迫ってきました。
当初は「近くに用事があったからちょっと挨拶に寄った」とにこやかにしており、私も離婚に関して後腐れはなかったので家に入れましたが、今思えばこれが甘い選択でした。
元妻のモテ期アピール
たわいもない近況報告から始まったものの、「今、人生最大のモテ期が到来している」「離婚した直後から、アプローチしてくる男の人が相次いで、この間は誰々と食事に行った」といったモテ期アピールの比率が高まりました。
「もしかして復縁が目的なのでは」と勘付いてはいましたが、この段階でも特に深刻に考えず、話半分で聞いていました。
すると、ここから一気にギアチェンジ、「誰々とどこそこに行ったが、やはり貴方に勝る男の人はいない、貴方が一番」から、ついに「あの時に離婚したこと、私はとても後悔している。
別れて初めて貴方の良さに気付けたの、もう一度やり直させてほしい」まで加速しました。
復縁する気がないことを伝えました
離婚を言い渡されてから実際の離婚成立まで僅か2日間、あまりにあっさり捨てられたことに憤りを感じていた私は「今は自分のためだけに生きてみたい」と伝えました。
事実、私は自分を見捨てた人とまた人生を共にするつもりは毛頭なく、穏やかに自分の意思を伝えて引き取ってもらおうと思っていました。
でも、あの時楽しかったよね、2人でいろんなところに行ったよね、と何度も切り返してくる彼女に対し、同じ返事を続けている内に、ついに彼女が切り札を投入、泣き落としにかかってきました。
「貴方の人生の邪魔はしないからもう一度だけチャンスをちょうだい」「毎晩寂しくて泣いてるの、私にとってのパートナーは貴方だけなの」「お願い私を信じて」
数年間は縁あって生活を共にし、情はあったものの、ここまで自分に依存し執着し号泣する彼女を見て、私は一気に冷めました。
それと同時に、彼女の涙は決して自分に向いてなんかおらず、構ってくれる誰でもいい誰かを捕まえようとしているのが透けて見えました。
「引く」というのはこういう感覚なのかと、悪寒が走ったのを今でも覚えています。
すがり付いてくる彼女を驚くほど客観的に見ている自分、そしてこれは愛情ではなく依存先を探しているだけの執着心だと見透かしていた自分、あの時はまさに分身の術を使ったような感覚でした。
お昼過ぎから始まったこの問答が3時間を超え、西日が入り始めた頃、泣き疲れて別人の顔になった彼女を見送った私は玄関先で安堵していました。
彼女が突然連絡してきた時点で、復縁がメインテーマになることは予想できていたにも関わらず、断りきれずに家にあげてしまった自分はお人よしでした。
今は連絡先を消し、あれ以来は突然の来襲もなく、独身を再謳歌しています。
が、引っ越しをしておらず家がバレているため、いつまた突撃してくるか、合鍵を隠し持たれていないかという恐怖は心の片隅に生きています。
復縁は難しいとよく言われていますが、これは本当にその通りだと思います。
別れた経緯がどうであれ、交際時点と同じかそれ以下のレベルのまま復縁を迫っても、「また同じ理由で別れるんだろうな」と、思った以上に冷静に感じてしまいます。
覆水盆に返らず。
本当に復縁したいのなら、やるべきことは泣き落としでもすがり付きでもなく、見違えるほど劇的に自分を成長させることだと思います。
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