【修羅場報告】(40代女性)8年という長い付き合いにピリオドを打った日

友達の彼と浮気
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まだ携帯電話がさほど普及していなかった時代です。

学生時代から付き合っていた彼との交際が8年にもなり、そろそろ具体的に結婚に向けて話を進めようと思っていた頃でした。
彼とは同じ大学のサークルで知り合い、社会人になってからも、彼とサークルの仲間達といつも一緒に遊んでいました。

ある日、一人暮らしの彼のアパートで一緒にゲームをしていたら、彼の携帯電話が鳴りました。
私はまだ持っていませんでしたが、彼は大金をはたいて携帯電話を購入していました。
その時から少し様子がおかしいと思っていたのです。

一言二言話した後、彼は「これから友達の家に行くことになった」と言い、急いで私を帰そうとしました。
男って本当に分かりやすい生き物ですね。完全にこれから「事件」を起こしそうな雰囲気を漂わせていました。

問い詰めるのではなく、泳がせることにしました。

私は帰宅したフリをして、少し遠くから彼のアパートを張り込みました。
友達の家に行くと言っておきながら、出掛ける様子がありません。
しばらくすると、女性が彼のアパートへ入って行くのが分かりました。
疑っていたけど、ほぼ100%疑っていたけど、心の片隅ではどうか私の思い違いであって欲しいと願っていたのにやっぱり裏切られていた。
彼と一緒にいた8年を思うと、怒りや悲しみ、色んな感情が入り交じって涙も出ず、ただただ手が震えていました。

さて、どうしようか。
心を落ち着かせるために、今は珍しくなった緑色の公衆電話から友達へ電話をかけました。
事情を話し、「私、どうしたらいい?」と言う私に、友達はとりあえず家に帰ることをすすめました。

「今日は家に帰りな」

優しく言ってくれた友達の言葉通りにしたら、こんなに傷付かずにすんだのかもしれません。

私は帰らずに彼の家へ踏み込むことを決めました。

どうしても許せないという思いが強かったからです。

アパートの玄関に立つと、事もあろうに彼と彼女は「真っ最中」だったようで、かすかに声が聞こえてしまいました。
ますます怒りに震える私に、もはや帰るという選択肢はなく、持っていた彼のアパートの合鍵を思い切り差し込みました。

「ガチャ」

鍵を開け、すぐ踏み込まず少しだけ間をおいたのは、私の最後の優しさです。
せめてこの間に、服を着てほしい。裸でなんていて欲しくない。そう願いながら玄関の扉をそっと開けました。
彼は上半身こそ裸でしたが、下にはズボンを履いて慌てて飛び出してきました。

「何やってんの?」

冷静に言う私に彼は「違うんだ、違うんだ」と言うばかり。
「家に入らせてよ」と言う私に彼は、「ちょっといま会社の子が大変な状態で・・・」
と、モゴモゴ言いましたが、それを押しのけて土足で部屋へ踏み込みました。
暗がりでよく見えませんでしたが、ベッドを使わずリビングにいたのは彼の優しさ?いえそれでもどんな状況でもそれはとても耐えられるものではなく、薄らと見える裸のオンナを出て行かせることもできず、私が彼のアパートを飛び出しました。

今思うとなんて冷静だったのだろうとも思えますが、そのオンナの顔をハッキリ見てしまったら自制心がきかなくなるような気がして、見るに堪えなかったのだと思います。

上半身裸の彼が追いかけてきてまだ言い訳をしていました。
その時、周りに人はいたのかいなかったのかは全く覚えていません。
彼がどんな言葉を使ってもその姿がもう全てを物語っていて、私は一体何をどう言えばいいのかパニックになり、「死んでやる」と口走り、ますます彼をうろたえさせました。

彼は「誤解だ」を繰り返し、私とは別れたくないと言いましたが、現場に踏み込んだからには私には覚悟がありましたので、8年という長い付き合いにピリオドを打つことに決めました。

しばらくは抜け殻状態でした。

親公認で結婚秒読みとまで言われていたのに、まさか別れる日がくるなんて。
私はそれまで彼と共に付き合ってきた仲間とも会うことをやめました。
かなり心配されましたが、一旦仲間から離れそれまで遊びに費やしてきた時間を仕事に向けるようになり、30代にして役職に就きました。
結果、結婚は晩婚になってしまいましたが、仕事でいい経験ができ今に繋がっています。

「長すぎる春」って本当に実りませんね。
私達はあまりにも長い時間、仲間達と一緒にいすぎて、男女というより友達同士の付き合いになってしまったのだと思います。
そこからは、もう短期間で男性を見定め、ダラダラした付き合いをすることはなくなりました。
もし私と同じような境遇で、結婚を考えている女性がいたら
「あまり友達を交えて遊びすぎない方がよい」と言いたいです。
絶対、結婚が遠のきます。 

それより二人だけの想い出を増やし、二人の濃い時間を過ごして欲しいです。
そして、万が一浮気現場へ踏み込む場合は、それなりの覚悟が必要だと思います。
正直、やはり踏み込まなければよかったと後悔した時もありました。
あの時の残像は、何歳になっても脳裏に残ります。

結婚して幸せになった今でも、その「現場」がふとした時によぎり、あの時の悔しかった思いが戻ってくる感覚に陥ります。
出来れば現場を見ずに、浮気した男とは終わりにした方が、後々の幸せのためだと思います。

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