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コンビニでバイトしていた頃に不倫をしました。
お相手はバイトでは３年先輩の３０代後半の女性でした。
最初の頃は普段通り日々のバイトをしていただけでした。
そんなある日、お客様とのトラブルが起きました。
お客様はそれはもうお怒りで、怒声に近い声で先輩と話していました。
それは私の失敗が原因で起きたトラブルだったのですが、後から入っては余計に感情を逆なでするかと思い対応をお任せしていました。
後から、それすらも失敗だったと後悔しました。
先輩は冷静に話を聞き、丁寧に謝罪してくれていました。
なんとかお客様は納得して帰って頂いたその直ぐ後に、
「大丈夫ですか？すみませんでした。何か奢らせてください」
そう咄嗟に話した先輩の目を見ると、涙が滲んで今にも零れそうでした。
はっとしました。
その姿が可愛くて、切なくて、守ってあげたいと感じました。
原因が私の失敗だったトラブルのことも忘れてしまうほどでした。
不謹慎だし、化粧も少し落ちているのだけど綺麗だと思ってしまいました。
先輩は遂に涙が零れて、手で涙を拭いながらニコっと笑い、
「ぜんぜん大丈夫。でも、ご飯奢りね。ちょっと化粧直してきます」
そう言って、事務所に入っていきました。
後日コンビニ飯ではなく、失敗のお詫びを口実に食事に誘いました。
食事中はトラブルの時の説教と、旦那の愚痴と仕事の愚痴を聞きました。
愚痴と説教などのネガティブな話が多かったのですが、時折ニコニコと笑いながら話す先輩にだんだん惹かれていきました。
時には私の話も聞いてくれて、へぇ凄いねとか。
誰もが知っていそうなことを話しても、知らなかったありがとうなんて、微笑みながら返してくれました。
自分の気持ちを止められませんでした
大人だな敵わないなと思いながらも、もっと好きになる自分が止められませんでした。
食事のあと別れ際に、好きですとだけ伝えました。
先輩は困った顔をしながらも優しく微笑み返してくれて、
「ありがとう。また仕事でね」
少し寂しくは感じましたが、不思議と悪い気はしませんでした。
その日は何ごともなく別れました。
そしてまた、普段通りのバイトの日々に戻りました。
先輩は相変わらず好きだったのですが、既婚者なので遠慮していました。
ずっとそれまでと態度は変わらず、何もない日々が3ヶ月ほど経過しました。
それがある意味功をそうしたのかもしれません。
その後、私は親戚の伝手で期間工の仕事に就職が決まり、バイトを辞めることになりました。
バイトを辞める直前、先輩に前の食事のお返しと就職祝いに食事に誘われました。
同じ店、同じ曜日と時間に待ち合わせをして食事をしました。
その日は、就職おめでとうから始まりバイトの思い出話をしました。
当然のようにトラブルの日の話になりました。
失敗の恥ずかしさが甦ってくるのと同時に、告白に至った想いも戻ってきました。
先輩も同じだったようです。
単純に嬉しかったと、あれ以来なにも言わなかったから気になって仕方なかったこと。
そして、好きになってしまったと告白されました。
なってしまった。
いけないことだと分かっている言葉です。
もう二人とも感情を止められないところまで来てしまいました。
バイト先から去る前の最後にたった一夜だけ、共に過ごしました。
今でもそのコンビニに行けば、会うことは出来るはずです。
だけど、バイトを辞めてから一度も店に顔を出していません。
先輩は既婚者で、旦那が居る身で、家庭を守るために仕事する場所に居るからです。
気を遣ってくれて、大人の対応をしてくれてた先輩に感謝しています。
だから、同じように大人になろうとしているところです。
相手を思いやることと、自分の心のバランスを保つ答えを模索した結果です。
会わないという選択が合っていたのかどうかは未だに分かりません。
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